今回は、整復の最初の動作である「絞り」についてお話をします。
全ての整復には「絞り」「トルク」「構え」「整復力発動」の流れがあります。
「絞り」は、最初の動作であり「絞り」がうまくいかない時点で整復不全となりますので、整復にとって重要な要素となります。
「絞り」には、どのような意味があるのでしょうか?
整復を行う整復部位の、きわめて狭い範囲の接触ポイントに手掌や指、豆状骨などの整復手、整復指を当てるのに必要な動作となります。
「絞り」によって、皮膚表層から接触ポイントまで侵入するする際に、間にある組織は邪魔になります。
そこで、間にある組織が介入しないように深部の接触ポイントまで到達させる動作が「絞り」になります。
整復手や整復指を、深部の接触ポイントまで到達させる事は簡単ではありません。
また、接触ポイントから外れていると、整復力を発動しても整復部位に整復力が届きませんので整復不全になってしまいます。
整復手や整復指が深部の接触ポイントまで到達しない原因として、力の入りすぎがあります。
必要以上に力が入ると、感覚受容器が働いて、筋肉が収縮します。
筋肉が収縮した状態では、接触ポイントまで到達することは不可能になるからです。
ですので、感覚受容器が働かない位の圧力で、「絞り」を行う事が重要になります。
また、皮膚に対して垂直の方向で侵入させると、感覚受容器を刺激してしまいますので、ある程度の角度から「絞り」をかける必要があります。
前述したように、「絞り」は全ての整復法に必要な動作となり、整復の効果を左右する重要な動作でもあります。
深部の接触ポイントまで到達できるように「絞り」を習得する事が、必要となります。