今回は、整復力についてお話をします。
「絞り」・「トルク」・「構え(整復姿勢)」・「整復力の発動」の順に整復を行いますが、構えまで正確に行っても整復力の発動がうまくいかないと整復不全になります。
整復力の発動も、おろそかにしてはならない重要なポイントとなります。
整復力は次の4つの条件が関係しています。
1、強さ
2、速度
3、移動量
4、時間
強い整復力は、移動量と時間が長くなり、速度にかかわらず深部まで整復力が到達します。
深部まで整復力が到達するのはよいことですが、整復による衝撃も強くなる為、関節を破壊するリスクも上がります。
弱い整復力は、移動量と時間が短くなり、速度も遅くなって整復力が深部まで到達しません。
整復による衝撃が弱い分、関節の破壊のリスクは下がりますが、整復力が関節面に十分に伝わりづらくなります。
理想は、弱い整復力で深部の関節面まで整復力が到達することです。
一見矛盾するようですが、このような整復力を発動することは可能となります。
どのように整復力を発動すると、弱い力で深部まで整復力が到達するのでしょうか?
整復時の速度を上げることです。
整復の速度を上げると、弱い整復力でも深部の関節面まで整復力が到達するからです。
整復の速度を上げることによって、弱い整復力でも効果が上がります。
破壊のリスクを軽減して効果が上がりますので、整復力の速度を上げることは整復にとって重要なポイントとなります。
力を入れた方が整復をした感じを得ることができますが、破壊のリスクを考慮すると、考え直す必要があります。
また、絞りとトルクの段階で力が入っていると、圧覚の感覚受容器が反応して筋肉が収縮します。
そうなると、接触手・接触指が深部の関節面まで到達できなくなります。
絞り・トルク・整復力の発動を行う際に、力を抜いて行う事が重要となります。
力を抜きつつ、速度を上げることが重要になります。
整復の効果が薄いと、つい力を入れがちになると思います。
このような時こそ、力を抜いて速度を上げることに集中するべきなのです。