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    駒込 構造医学 非荷重損傷の影響を受けづらい胸腰移行部回旋テストの方法

    今回も、胸腰移行部についてお話をします。

     

    胸腰移行部は、仙腸関節の影響を強く受ける部位である事をお話しました。

     

    基本的に、胸腰移行部回旋テストが(+)と判定された場合でも、仙腸関節の整復後に再度、テストをして診断をとりなおす必要があります。

     

     

    胸腰移行部回旋テストを実施する際に、非荷重性の損傷の影響を受けづらい方法があります。

     

    それは、胸腰移行部を回旋する際に、体幹を横にずらす方法です。

     

    体幹を横にずらすことによって、非荷重性の胸腰移行部の可動域制限が出現しづらくなります。

     

     

    胸腰移行部回旋テストを実施した後に、体幹を横にずらして再度テストを行ってみて、可動域制限が改善・消失していれば、非荷重の影響の強いものとなります。

     

    非荷重性の胸腰移行部の可動域制限となり、見かけ上の胸腰移行部の異常という可能性が高くなります。

     

     

    この方法は、非荷重の整復の精度が高くない段階において有効となります。

     

    胸腰移行部は、仙腸関節の整復の後に、再度胸腰移行部回旋テストを行って判定をします。

     

    この際に、非荷重損傷がどの程度改善できているかによって判定が変わります。

     

    例えば、非荷重損傷が30%改善した場合は、胸腰移行部の可動域制限は残存します。

     

    この段階で、胸腰移行部の整復を行うと、胸腰移行部に負担がかかりハイパーモビリティを発生させる可能性があります。

     

     

    非荷重整復は、整復を行う期間を空けなければ累積的に効果が上がります。

     

     胸腰移行部回旋テストを実施する際に、体幹を横にずらす方法で、非荷重の影響を受けづらい状態で実施すると、非荷重損傷の影響でおこっている可動域制限なのか、胸腰移行部の異常でおこっているのかがある程度わかります。

     

    非荷重の整復の精度が高くない段階では、累積的に非荷重の効果を上げてから、胸腰移行部に異常がある場合に整復を行うとよいと思います。

     

    患者さんの体に負担をかけないことが最優先されますので、有効な方法の一つです。