

こんにちは。
今回は、前回に引き続き胸郭(きょうかく)についてお話をしたいと思います。
前回は、息が吸いづらい原因として、内臓に問題がない場合の多くは、胸郭の関節のずれが原因というお話をしました。
呼吸に限らず関節の異常が引き起こす症状は、いろいろとあるんですね。
代表的なものに、肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)があります。
肋間神経痛になった方はよくわかると思いますが、強烈な痛みがおこります。
また、痛みがおこっている場所が、心臓や肺のあたりですと心臓に異常があると思うケースが少なくありません。
その場合、心臓の検査をしますよね。
ところが、痛みの原因が肋間神経ですので、いくら心臓を調べても異常は見つかりません。
肋間神経痛の原因には、どのようなものがあるのでしょうか?
背骨を構成する椎骨(ついこつ)と椎骨が連結する椎間関節(ついかんかんせつ)のずれが、肋間神経痛を引き起こす事が多いんです。
この場合、ずれている椎間関節を正常に整復すると、強烈な痛みは改善・消失していきます。
話を元に戻しますが、なぜ胸郭を構成する関節がずれてしまうのでしょうか?
肋骨に衝撃が加わる事によっておこります。
1、脇腹を強く打ったりぶつけたりした場合
2、肋骨骨折の際の衝撃
3、交通事故による、強い衝撃
4、ヨガや強いストレッチによる強い捻転力がかかった場合
5、花粉症などでの、くしゃみの連続
このような衝撃が加わると、胸郭を構成する諸関節に力がかかる事によって関節がずれてしまいます。
脇腹を強くぶつけてから呼吸がしづらくなったり、交通事故にあってから呼吸がしづらくなった場合などは胸郭を構成する関節に異常がある可能性が高くなります。
ヨガや強いストレッチで、胸郭を強く捻る力が加わる事によっても胸郭の関節がずれてしまう場合があります。
一生懸命やりすぎてしまうと、かえって体に負担がかかってしまう場合があります。
注意が必要なんですね。
胸郭の関節のずれは、どのようにすればわかるのでしょうか?
触診(しょくしん)と感覚神経の検査が有効となります。
胸郭を構成する関節はたくさんありますが、丁寧に触診していくとずれている関節がわかります。
なぜわかるかというと、胸郭の関節がずれていると押された時に痛みを感じます。
順に関節を軽く押す事によって、痛みのある関節がずれているとわかるからです。
関節の圧痛(あっつう)を確認する大事な検査になります。
また、関節がずれる事によって神経が牽引されます。
神経は引っぱられると、感覚が鈍くなりますのでそれによってもずれている関節を特定する事ができます。
特定した関節のずれを整復すると、その場で圧痛がなくなり感覚神経も正常になる場合がほとんどです。
胸郭の関節が正常になると、胸郭が正常に動きますので、呼吸が正常になります。
早い段階で、呼吸が楽になる事が多いです。
脇腹や胸を打撲などで痛めた後に呼吸がしづらくなった場合は、胸郭の関節に異常がある可能性があります。
胸郭の関節の確認が重要になります。
原因のよくわからない呼吸困難でお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。