こんにちは。
今回も前回に引き続き、胸郭(きょうかく)についてお話をしたいと思います。
前回は息が吸いづらい原因として、呼吸器系の内臓や心因性ではない場合は胸郭がふくらみづらい事が原因というお話をしました。
なぜ、胸郭がふくらみづらくなるのでしょうか?
その原因として、胸郭の骨格を構成する関節がポイントになります。
胸郭は鳥かごのような形状をしています。
1、肋骨(ろっこつ)
2、胸椎(きょうつい)・・・背骨の胸の部分
3、胸骨(きょうこつ)
これらの骨で構成されています。
それぞれの骨は、関節によってつながって胸郭を形成しています。
肋骨と胸椎では、肋椎関節(ろくついかんせつ)、肋骨と胸骨では、胸肋関節(きょうろくかんせつ)という関節でつながっています。
これらの関節に異常がある事によって、胸郭がふくらみづらくなってしまうのです。
なぜ、胸郭の関節に異常があると、胸郭がふくらまないのでしょうか?
胸郭は肋間筋によって、約20%程広がります。
広がるという事は、胸郭の関節が動くからなんですね。
ところが、胸郭の関節に異常があると、胸郭がふくらむ事によって異常のある関節が悪化する可能性があります。
そこで、胸郭のふくらみを制限して、関節が悪化しないようにするんですね。
例えると、このようになります。
拝む様に、両手を体の前で合わせてみてください。
そして、ゆっくりと左右の肘を上げていくと、両腕の空間が広がりますよね。
胸郭も、このような感じで広がるんです。
体が胸椎、腕が肋骨、両手が胸骨というイメージですね。
もし、肩を打撲や脱臼等で痛めていたら、腕を上げる事がつらくなりますよね。
また、上げる事によって、肩の関節が悪化してしまう可能性があります。
その為、なるべく肩を動かさないように制限しますよね。
このように、胸郭も胸郭を構成する関節に問題があると動きを制限するのです。
胸郭のふくらみが制限されると、肺のふくらみも制限されてしまいますので、息が吸いづらくなってしまうのです。
そうなると、主に横隔膜のみで呼吸をする事になります。
息は吸えるけども、深い呼吸ができないという状況になります。
この様に、胸郭がふくらみづらくなる原因は胸郭を構成する関節の異常が原因なんですね。