こんにちは。
前回は、息が吸いづらくなる原因として胸郭がふくらみづらくなる要因についてお話をしました。
胸郭を構成する関節の異常が、その原因でしたよね。
今回は、胸郭を構成する関節に異常がおこる原因についてお話をしたいと思います。
胸郭は、心臓や肺・大血管等を守る器としての役割があります。
それと同時に、胸郭をふくらませるという呼吸に関する役割もあります。
胸郭をふくらませるという事は、筋肉と共に骨を動かす必要があります。
骨を動かすには、可動させる為に骨と骨のつなぎ目である関節が必要になるんですね。
この関節部分は可動性がある為に、ある程度以上の衝撃がかかるとずれてしまうのです。
胸郭の関節がずれると、体の反応として胸郭のふくらみを制限します。
それ以上に関節がずれる事を防ぐ為なんです。
それで、呼吸に支障が出るのです。
胸郭は、肋骨・胸椎・胸骨という骨で構成されています。
これらの骨がつながる関節部分は、可動性がある分衝撃に弱い部位となります。
12個の胸椎、左右で24本の肋骨、1個の胸椎をそれぞれつなげますので、胸郭にはたくさんの関節があります。
では、どのような場合に、胸郭の関節がずれるのでしょうか?
1、胸や脇腹の打撲
2、ヨガやストレッチによる強い体の捻り
3、交通事故などの強い衝撃
4、風邪やアレルギーなどでの、くしゃみの連続
このように、鳥かご状の胸郭に強い力が加わると、胸郭を構成する関節に負担がかかり許容範囲を越えた力が働くと関節がずれてしまいます。
胸や脇腹を打った場合は、胸骨や肋骨に衝撃力が加わります。
そうすると、胸骨と肋骨をつなぐ胸肋関節(きょうろくかんせつ)に負担がかかり、関節がずれる可能性があります。
また、衝撃力が肋骨を伝わって、肋骨と胸椎をつなぐ関節である肋椎関節(ろくついかんせつ)をずらす事もあります。
さらに強い衝撃が加わると、肋骨骨折をおこす事もあります。
この場合、主に骨折に注意がいくと思いますが、肋骨が折れる位の衝撃が加わったという事は、胸郭を構成する関節にもかなりのダメージがあると考えるべきです。
肋骨を骨折して、骨折は治ったものの胸や脇腹、背中に痛みや違和感が残る場合は、胸郭の関節の異常が残っている事が多いんです。
同様に、肋骨骨折後に呼吸に何かしらの異常がある場合も、胸郭を構成する関節に異常がある事が多いですね。
このような場合は、丁寧に胸郭の関節を一つずつ確認していく事が重要になります。
確認して、ずれのある関節を施術すると、胸郭がふくらみますので呼吸がしやすくなるんです。
息が吸いづらい方、胸や脇腹、背中に痛みや違和感のある方は胸郭の関節がずれている可能性があります。
特に、打撲や交通事故などで胸郭に衝撃力がかかった経験のある方は注意が必要です。
当院では、胸郭の関節を一つずつ丁寧に触診して、施術を行っていきます。