こんにちは。
今回は、胸郭(きょうかく)にある関節の異常でおこった呼吸困難を、喘息と診断されたケースについてお話をしたいと思います。
喘息は、どのような経過をたどったのでしょうか。
この方は、20代の男性で健康な方です。
ある日、突然に呼吸に障害が出始めたのです。
急に、息が吸いづらくなりました。
息を吸うには吸えるのですが、思いっきり吸えない為に、浅い呼吸になってしまうのです。
そこで、呼吸器系の内臓に異常があると思い病院に行きました。
ところがすぐには原因が良くわからず、ありとあらゆる検査を受けたそうです。
肺や心臓はもちろんの事、ピロリ菌の検査も受けたそうなんです。
検査だけでも、大変ですよね。
検査の結果の診断が喘息でした。
喘息は気道が炎症により狭くなるために、空気の通りが悪くなるものです。
気道の空気の通りが悪くなるので、呼吸に障害がでてしまいます。
そこで、処方された喘息の薬を服用し始めました。
ところが、数か月その薬を服用しても、いっこうに効果があらわれません。
相変わらず、息が吸いづらいのです。
本当に喘息なのかと疑ったそうです。
薬を調べたところ、ステロイドがありました。
副作用が怖くなって、服用をやめたそうです。
喘息は主に、軌道の炎症を抑える薬と気道を広げる薬を処方されます。
この内、炎症を抑える薬にステロイドがありました。
この方の場合は、気道に異常が全くなかったので、気道の炎症を抑える薬や気道を広げる薬を服用しても、変化がないのは当然ですよね。
ひとつ疑問に思う事があります。
喘息は、息を吐くときにつらくなるのが特徴です。
この方の場合は、息を吸えないという事でしたので、なぜ喘息という診断になったのかが不思議なんですね。
息を吐くときには、特に問題がなかったのですが。
その方は、原因がわからずに呼吸に異常があって、診断された喘息の薬を服用してもいっこうに改善しないので、何か変な病気があるのではないかと心配だったそうです。
いろいろと調べた結果、当院の事を知り来院されました。
まず、お電話でお話を伺ったところ、胸郭の関節に異常があって十分に胸郭がひろがらない状況だと考えました。
そして、実際に来院され検査を行ったところ、胸郭を構成するいくつかの関節に異常がある事がわかりました。
1、肋骨(ろっこつ)と椎骨(ついこつ)という背骨の骨の関節
2、肋骨と胸骨(きょうこつ)の関節
3、椎骨と椎骨の関節
これらの関節に異常があったので、十分に胸郭がふくらまないという状態だったのです。
この場合の関節の異常は、胸郭にある関節の微小なずれでした。
胸郭は、心臓や肺・大血管などの大事な内臓を守る部位ですので、関節の微小なずれがおこっても内臓を守る為に、胸郭の動きを制限してしまいます。
胸郭が十分にふくらまなくても、横隔膜(おうかくまく)によって呼吸が可能だからという事もあります。
原因がわかりましたので、施術に移りました。
胸郭という樽状の骨格は、骨盤という土台の上にあります。
その為、骨盤の影響を強く受けるのです。
まず、骨盤矯正によって胸郭の土台を正常にしました。
そして、胸郭のいくつかのずれている関節を元に戻していきます。
異常がある胸郭の関節を全て元に戻しました。
そして、呼吸はどうですか?
と聞きました。
すると
「息が吸える!!」
とびっくりされました。
胸郭の関節が正常になった為、胸郭が十分にふくらむようになったのです。
息が吸えるようになったのはもちろんですが、息が吸えない原因が判明したことも非常に喜んでいました。
薬に頼らずに、良い状態になるというもの嬉しいですよね。
後は、正常な状態を保つ事が重要になります。
関節は、ずれていた期間が長ければ長い程、安定に時間がかかる傾向があります。
また、胸郭の関節は呼吸の度に動きますので、安定に時間がかかる場合があります。
呼吸に何かしらの問題があって、薬を服用しても症状が改善しない方はいませんか?
もしかしたら、胸郭を構成する関節に異常があるかもしれません。
ぜひ、原因不明の呼吸の異常でお悩みの方は当院にご相談ください。