こんにちは。
今回は、変形性膝関節症と加齢との関係についてお話をしたいと思います。
先日、膝に痛みのある80代の女性が来院されました。
痛みのある左の膝は大きく腫れています。
また、左膝には可動域制限があって曲げていくと強い痛みがでる状況です。
病院では、変形性膝関節症と診断されました。
「何が原因で変形性膝関節症になったのですか?」
という女性の質問に
「加齢が原因です。」
という返答があったそうです。
その方は納得されたそうですが、その話を聞いて私は納得できませんでした。
なぜ、納得できなかったのでしょうか?
なぜかというと、もし本当に加齢が原因だとすると左右の両方の膝が変形するはずですよね。
ところが、その方は左の膝が変形性関節症になって右膝は変形していません。
同じ年数が経っているにもかかわらず、左だけ変形して右がならないというのは年数が原因ではないからではないでしょうか?
という事は、加齢が直接の原因でおこった変形性膝関節症ではないという事です。
では、何が原因なのでしょうか?
原因は膝を捻ったり打ったりなどの外傷や、他の関節の影響という場合が多いんです。
例えば自転車で転倒して膝を打つと、膝の関節がダメージを受けます。
また、過度の運動でも膝関節に負担がかかりすぎると変形性関節症の原因になります。
重い荷物を運ぶようなお仕事も、膝関節にかなりの負担がかかります。
運送系や農業などは、変形性関節症になりやすいお仕事なんです。
農家の年配の女性は、かなりのO脚の方が少なくありません。
長年の農作業の負担で、膝関節が変形してしまったからなんですね。
膝は腰や股関節、足首の関節の影響を受けます。
腰や股関節、足首の関節に異常があると膝関節に負担がかかります。
そのために、長年に渡ってその状態が続くと膝の関節が変形してしまうのです。
このように、変形性関節症になる素地があれば年齢を重ねると変形していきますが、素地がなければ変形する事はあまりありません。
変形性関節症=加齢という訳ではないんですね。
変形性関節症=変形性関節症になる素地+加齢という事になるのではないでしょうか。
変形性膝関節症になる方はその素地があるからで、変形性膝関節症にならない方はその素地がないからという事になります。
どうすれば、変形性関節症を予防できるでしょうか?
変形性関節症になる素地を早めに解消する事が最も重要になります。
過度に膝に負担をかけない事や、膝を怪我したらしっかりと治す事も大事です。
腰や股関節・足首の関節に異常があると膝の関節に負担がかかって、変形性膝関節症の原因になる場合がありますので、しっかりとケアする事が重要なんです。