こんにちは。
今回は、比較的軽い呼吸困難についてお話をしたいと思います。
特に原因が思い当たらないのに、息が吸えなくてなんとなく息苦しい方はいませんか?
呼吸困難という程ではないけれども、何かいつもより息苦しい気がするというような状態です。
それは空気が十分に吸えていない状態かもしれません。
なぜ、空気が十分に吸えないのでしょうか?
可能性として、胸郭(きょうかく)という胸の骨格部分が、拡張したままという状態が考えられます。
呼吸に関わる内臓に全く異常がない場合は、その可能性はぐんと高くなります。
なぜ、胸郭が拡張したままでは、空気が十分に吸えないのでしょうか?
呼吸は肺で行いますよね。
ところが、肺には筋肉がありませんので、肺だけでふくらむ事はできないんです。
そこで、横隔膜(おうかくまく)と胸郭を拡張させる事によって、肺もふくらむ事ができるんです。
胸郭は肋骨が上下に動く事によって拡張したり縮小したりします。
ところが、肋骨が上がりっぱなしになると、胸郭は十分に縮小できなくなってしまいます。
胸郭が拡張する事によって空気を吸い込みますので、胸郭が拡張したままですと十分に空気を吸う事が難しくなります。
それで、空気が十分に吸えなくて、息苦しくなってしまうのですね。
なぜ、胸郭が拡張してそのまま縮小しなくなってしまうのでしょうか?
ある姿勢を長い時間とる事によって、胸郭が拡張したままという事がよくあるんです。
どのような姿勢が、胸郭を拡張させたままになってしまうのでしょうか?
両手を頭の後ろで組むような姿勢です。
寝っ転がってこのような姿勢でテレビをみる方もいるのではないでしょうか?
両手を上げる事によって、肋骨が上がって胸郭が拡張します。
そして、その姿勢を続けることによって胸郭は拡張したまま縮小しづらくなるのです。
胸郭が拡張したままになるので、空気が吸いづらくなって息苦しくなってしまいます。
また、片方の手を頭の後ろに当てる姿勢をすると、片方の胸郭が拡張したままになる可能性があります。
そうなると、片方の胸郭の動きが制限されますので、その側の肺に十分に空気が入っていかなくなります。
長い時間、ぶら下がる事も先ほどの姿勢と同様に胸郭が拡張したままになりやすいので、注意が必要です。
最近は見かけませんが、ぶら下がり健康器というものがあります。
この健康器具にぶら下がって体を伸ばして健康になるというものですが、これに長い時間ぶら下がると胸郭が拡張したままになる可能性があります。
いったん拡張したままになった胸郭は、なかなか元に戻りません。
空気が吸いづらく息苦しい方は胸郭が拡張したままかもしれません。
心当たりのある方はぜひ、当院にご相談ください。