文京区 脊柱管狭窄症 手術をしても症状が残ってしまう原因は?

    こんにちは。

     

    今回は、脊柱管狭窄症についてお話をしたいと思います。

     

    脊柱管狭窄症というと、多くは腰部脊柱管狭窄症と思う方が多いのではないでしょうか。

     

    脊柱管は、首から腰までの背骨の中を通っている筒状の空間です。

     

    この空間の中に脊髄神経が入っていて、この脊柱管が狭くなると脊髄神経を圧迫するので、痛みや神経症状がおこるとされています。

     

    脊柱管狭窄症のはじめに頚部や胸部や腰部がつくのが正しい病名なんです。

     

    首、胸、腰の中で割合的に腰の脊柱管狭窄症が多いので、脊柱管狭窄症というと腰部脊柱管狭窄症を指す事が多いんですね。

     

    脊柱管狭窄症というと、手術と思う方も多いと思います。

     

    ところが、脊柱管狭窄症の手術の成功率は高くありません。

     

    すっきりと、症状が全くなくなる事は少ないんですね。

     

    腰部脊柱管狭窄症の手術を受けた方の80%に、痺れが残ります。

     

    また、手術後4~5年は70%~80%の方は症状が良好ですが、その後は手術の効果が薄れてくる事がわかっています。

     

    この事は「腰部脊柱管狭窄症の診療ガイドライン」でも報告されています。

     

    せっかく手術をしても、80%の確率で痺れが残って、数年で腰部脊柱管狭窄症が再発するリスクもあるんですね。

     

    手術をためらう方が多いのもうなずけます。

     

    ではなぜ、手術で脊髄神経の圧迫している組織を取り除いて、脊髄神経の圧迫がなくなったにもかかわらず完全に症状が消失しないのでしょうか?

     

    1、画像上は脊髄神経が圧迫されているが、その圧迫が現在おこっている症状の原因ではない場合。

     

    2、画像上に脊髄神経が圧迫されていて、その圧迫が現在おこっている症状の一部の原因という場          

      合。

     

    このような場合が考えられます。

     

    腰椎椎間板ヘルニアは多くの腰痛の原因とされてきましたが、近年、腰椎椎間板ヘルニアがあっても腰痛のない方が多い事がわかってきました。

     

    画像上は、ヘルニアによって神経が圧迫されているようにみえても、その圧迫が腰痛の原因ではないという事なんです。

     

    腰椎椎間板ヘルニアの手術の成功率が低いのは、このようにヘルニアが腰痛の原因ではなかったからなんですね。

     

    同様に、画像上は腰部の脊柱管が狭窄して脊髄神経を圧迫しているようにみえても、その圧迫が現在の症状をおこしている原因とは限らないんです。

     

    では、手術では改善しない腰部脊柱管狭窄症を、おこしている原因はあるのでしょうか?

     

    症状をおこしている原因はあります。

     

    次回、その原因についてお話をしたいと思います。