こんにちは。
今回は、痛み止めの薬についてお話をします。
膝の痛みのある方から、このような質問を受けました。
「膝が痛いときに痛み止めを飲むと痛みは和らぎますが、薬がきれると前より痛くなります。なぜでしょうか?」
このような経験をされた方もいるのではないでしょうか?
理由があります。
なぜ、痛み止めの効果がきれると、前よりも痛みが増すのでしょうか?
なぜ痛みがおこっているかを、考えてみるとわかります。
関節におこる痛みは、体の警告なんです。
どのような警告なのでしょうか?
関節に異常があるので、これ以上使うと関節が壊れる、という警告なんですね。
関節に痛みがあると、安静にしますよね。
安静によって、関節の破壊を防ぐのです。
痛みはそのための警告なんです。
ところが、痛み止めを服用すると、その体の警告を感じなくなります。
痛みが和らぐので、動けるようになりますよね。
関節の異常は変わっていないので、この状態で関節を使うと関節が壊れてしまいます。
これを繰り返すと、関節軟骨の損傷や変形性関節症などに進行する可能性が高くなります。
怖いですよね。
1、関節の痛みは、関節になんらかの異常があるという警告となります。
2、痛み止めを服用すると、警告を感じなくはなるが、関節の異常は変わっていない。
3、痛みがおさまるので、動けるようになる。
4、異常のある関節を使うことによって、関節の状態はさらに悪化する。
5、痛み止めの薬効がきれると、関節の異常が悪化しているので、痛みが増す。
これが、痛み止めを服用すると痛みが増す理由となります。
関節の痛みはつらいですよね。
痛みが強い場合は、痛み止めを服用したほうがよい場合もあります。
ただ、服用した場合は、痛みが治まっても安静にする必要があります。
関節の異常が、治ったわけではないからなんですね。
痛み止めの注射や薬によって痛みをおさえて体を動かすということを繰り返していると、関節の破壊が進み、取り返しのつかない状態になる可能性があります。
例えば、痛み止めを服用してスポーツをするような場合です。
スポーツをすることはできますが、関節の異常が悪化してしまいます。
ですので、薬で痛みをおさえた場合は、関節の破壊を防ぐために安静にする必要があるのです。